エクスドリーム(完結)

奇書、奇書、奇書。

------------------------------別世界---------------------------------------

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 ――こうして、秋涼在久の物語は終わった。

 終わった?

 終わった……のか?

 いや。

 世界が果てしなく続いていくように、 在久の物語は終わらない。

 世界を超えていく。

 終わりなどない。

 これは終わりではなく始まり。

 真の破滅は、希望は、愛は、ここではない別のどこかにある。

 それはこの物語ではない異世界なのかもしれない。

 それはどこにあるか分からない。

 それでも。

 在久はどこまでも歩く。 

 いつか脳髄の迷宮を抜け出せることを信じて。



 別の世界へとTo Be Continue... 

 世界は終わる。
 世界は始まる。
 世界は回る。
 くるりくるり回っていく。
 くるくるくるくるくるくる回る。
 僕はまるでモルモット。
 実験用のモルモット。
 実験用のモルモットのように回る。
 くるくる回る。
 くるくるくるくるくる廻る。
 くるくるくるくるくるくるくるくる狂う狂う。
 くるりくるりと、狂っていく。



 ――とあるマンションの一室。
 
 電気も付いていない、暗いリビングの中、ソファーに座り呆然とTVを観ている少年の後ろ姿があった。

 TVからはニュースキャスターの声が聞こえてくる。

 少年はずっと部屋の中に引きこもっていた。

 TVでは猟奇事件について白熱した討論が交わされていた。それもまた日常。

 非日常こそが日常で、日常こそが非日常なのだ。

 だから、さっさと眠って現実に帰ろう……そして秋涼に日常が訪れる。


 こうして世界は繰り返される。

 脳髄という迷宮の中、輪廻していく。



                                                                             END.

 2


 路地裏に来た秋涼は衝撃の光景を目撃した。
 そこには血溜まりの中で倒れている1人の男がいた。

 ――死んでいた。

 信じられない光景。
 だが、しかし。
 秋涼にはもっと信じられないものがあった。
 それは。さっきまで話していた田辺杏子が、首を切られて死んでいる光景。
 そして。田辺杏子だったものの前に立つ1人の男。それは――。

「どうして……お前、星……星亮一なのかっ」

「よう、在久。久しぶりだな」

 秋涼在久の親友、星亮一だった。

「お前……な、なんで……まさかこれは……」

 秋涼はもはやまともな思考が働かない。
 対して、星亮一はいたって冷静であった。

「ああ、俺がやった。まぁなんだ……ここじゃあれだから場所を移そうや」

 眼前に広がる光景をまるで気にした風でもなく、秋涼を連れてその場所を去っていった。
 歩く歩く歩く歩く。秋涼は星と歩いた。どこに向かっているのかは分からないが、秋涼はその間ずっと黙っていた。

 
「……なぁ、星。優美が、大宮優美が死んだ」

 前振りもなく、星が言った。

「……知ってるよ」

 そうか、やっぱりな――と秋涼は思った。星なら知っていてもおかしくない、と秋涼はそう思えた。
 今や星は死を運んでくるものなのだ。星は死神なのだ。
 星亮一は田辺杏子を殺した。いや、彼女だけではない。きっと血溜まりの中で倒れていた男も星が殺したのだろう。

 もしかしたら大宮優美だって――そう秋涼が思ったとき。

「なぁ、在久。お前はこの世界をどう思う?」

 星は独り言でも言うかのような声で尋ねた。

「え? なにを突然……」

「お前は思わないか……この世界は本当に正しい世界なのかって。もしかして世界は偽物なんじゃないかって」

「……なに言ってるんだ?」

「なぁ、在久。黒幕は――お前の父親なんだ」

 と、星は何の脈絡もなく唐突に言った。

「そして、全ての鍵はお前の脳髄の中にある」

「……」

 あまりの発言に、秋涼は言葉を見失った。

「お前の父親はとある組織の重要幹部で、ある実験の責任者なんだ。そしてお前が実験の要……世界の大まかな下地はお前の脳によって創られているんだ」

「そんな馬鹿な……意味が分からない……」

 突拍子もない星の話は尚も続く。

「現実の世界を否定し、空想の世界にこそ人類の進化の秘訣があると考えている組織は、今ある偽物の世界をさらに壊し、さらには現実の世界の全ての人間を夢の世界に取り込んでパラダイムシフトを引き起こし、この世の中を進化させようと考えているんだ」

「なんでお前がそんな事を……」

「俺は世界を救う秘密組織のリーダーだ。だから俺は……いま、お前の前に立っている」

「え……な、なにを」

「物語を、終わらせるんだよ」

 そう言って、星亮一は、秋涼在久の頭へそっと手を添えて――。


「夢から醒めろ――××××」

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